セミの鳴き声を今季初めて聞いたのは2週間前、梅雨の中休みのように晴れたと思ったら、なんだか一気に真夏になった。
目にする℃が30から一気に36、列島はエンジ色に染まって、通りすぎる人々はみなびっしょりだ。中には恐ろしいほどベッチョベチョの人もいる。
通りすぎる人に愛想をいつもふりまいている毛むくじゃらな真っ黒野良猫もこんな暑さじゃもうぐったり。
内陸部では40℃に達することもあり、今日は一番暑い日となるでしょう、厳重に警戒してくださいのアナウンス....なくなった米5kgを抱えて、でかいリュックには肉野菜どっさり背負ってテクテクと2kmのポーター。
その後は、スイカとぶどうを取りにきて欲しいというので、ピックアップ。
炎天下、スイカを背負ってテクテクと2kmのポーター、のどを潤す焼酎ハイボールがうまいももうぐったりだ。
ジジジジィ~....ミンミンミンミンミーンミーンミンミンミー、何も悪くない彼らの鳴き声が癇に障る。
一日いったいどんだけ麦茶を飲んでいるだろうか...
こんなにも暑い日曜日の日中にランニングをしている人を何人かみかける。
早朝や夜間に走れないという人だろう。
日中の皇居もロードランナーもさすがに早いペースで走っている人はほぼいない。
自分も1kmあたり7分~6分半のゆっくりペースで日影を走っている。
公園の蛇口で冷やす、立ち止まって休憩、その繰り返し。
向こうから来る人、ビッチョビチョどころじゃないほどずぶ濡れの男に、目を細めて少し避ける。
屋台で買ったであろう焼きそばが地面に散乱して、鳩とスズメが夢中で食べている、こんなにあったら腹一杯だろう。
死にそうな顔でゼイゼイハァハァのランナーとすれ違う、すごいふくらはぎをしている。
家を持たない人、遊歩道で仰向けになって泥のように眠っているその姿、自分にはホモ・エレクトスかのように映る....冬季よりも痩せて、大丈夫かなと心配にもなる。
ブルゾンを着こんで座って寝ている人、大丈夫かな...人は我を忘れるくらい大変な思いをしていると体温の感覚が麻痺してくると、幼い頃に実母が言っていたと思いだす。
ハンパない量の買い物袋を何袋も車道に置いている爆買い中国人ファミリーを横目に、涼しい店内で小休止、寒い寒い。
上空、鳩の生暖かい落とし物の直撃に遭って、公園の蛇口で脱いで洗うも、目の前すぐソコには猛烈に臭いトイレ、口で息をする。
交番の前を通る、アゴを上げた若い警察官がジロっとこちらを見る、なんだか無性にイヤな感じだ。
追い越すママチャリの席からチビが顔をだしてこちらをジッとずっと見ている、どこが気になるのだろうか。
牛歩のように前を歩く散切り頭のおじさん、長袖のネルシャツもズボンも汚れ、目が座っている、町を彷徨っているのだろうか。
マセラティが唸りを上げて人通りもある大きな交差点を爆走、良い姿を披露したいのだろう。
車に引かれてしまった可哀想な鳩がすぐそこに、隣で信号を待っているチビが「なんでハトさんこわれちゃったの?」。
前を歩くセクシーな白パンの女子に目が奪われる、それが男の性だ。
こんなク◯暑い真夏の都内、東京5輪のマラソンは危なすぎるんじゃないのか、バタバタとランナーは倒れるんじゃないかと、体感してそう思う。
フィニッシュ、あっちの樹こっちの樹からミーンミンミンミーミーンミンミンミーミーンミンミンミーミーンとセミが鳴きわめいている公園のベンチでレモンサワー休憩、鳩が足元にものすごく集ってくるも、今は全身の塩とレモンサワーしかないからどっか行ってくれと心で思う。
どうでもいいことを思って結局何も考えてなく、どうでもいいことをこうして書いている。
それがその人それぞれのランニングスタイルだ。
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